要旨
15世紀のフィレンツェは富裕な商人の都市であったが、多くの芸術家が意欲的に新たな芸術を創造していた。中でも、建築家のフィリッポ・ブルネレスキ(1377-1446)は、フィレンツェの大聖堂の完成のために活躍した。大役を任された彼は、伝統的な様式を捨て去り、古代ローマの偉大さを復活させたいと願うフィレンツェの人々の期待に応えようと努力した。彼のねらいは新しい建築法の創造であったが、新たな美を創造するために古典建築の形式を自由に活用した。現代のアクリル絵画も、現代の素材を活用しつつ、絵画の伝統的手法を取り入れて創作されるものである。芸術の進化はこうした伝統と革新の融合にある。
Key words
アクリル絵画、ブルネッレスキ、西洋絵画
Reference
美術の物語、E.H. ゴンブリッチ、PHAIDON、p.223-p.245